成り代わり(短編小説)┊︎
舞え踊れ 短編小説最高ランク : 18 , 更新: 2022/08/11 22:21:06
─────夢と歌詠鳥を乗せて─────
初投稿で言った通り、曲パロを書いていきます
今回の題材はk/e/m/u様の
拝/啓/ド/ッ/ペ/ル/ゲ/ン/ガ/ー
です
では、スクロールお願いします
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「どうもこんにちは、僕は、君の分身です」
学校に行くための身支度を終え、部屋を出ようとすると声をかけられた。不審者かと思ったが、話しかけた人が、あまりにも自分にそっくりだった。
まあでも、分身なんて信じられない。何の冗談だ……と目を擦り、何となく足元に目をやると、自分から影が二つ伸びていることがわかった。
「もう一人自分が居たら、どれほどいいだろうと、君は言ったね。そんな真摯な願いが、僕を呼んだのさ」
もう一人自分がいたら……そんなこと、誰でも考えることだろう?艱難辛苦の日々を代行してくれる人を。
「……君は、分身と言うよりかは……ドッペルゲンガーだよね?僕のこと……殺すの?」
「いや、違うよ。君の、代わりになるんだ」
僕の……代わり。
「何か、望みはある?」
無いわけないよね……という目をするもう一人の自分。
「何でもいいの?」
「ああ……何でもいいよ」
その言葉を聞き、僕はゆっくりと口を開いた。
「過程とかどうでもいいから、結果だけが欲しい」
「……うん」
「過程なんて、無意味で無意義な結果の代償なんだ。そんな過程を学ぶための学校に行くよりさ、僕にはもっと大事なことがあるんだ。だから、学校に行くのを代行してくれよ、一日だけでいいからさ」
バカげた願いだと分かってる。だけど、もう一人の自分は、笑顔で謂った。
「ええ、もちろん、やるよ。僕は君の分身だからね」
目を細め、ニッと口角を上げる、僕の救世主。
「ねえ、君、誰なの?名前は?」
聞き忘れていたことを訊ねると、もう一人の自分は何言ってるんだというように首を傾げた。
「名前?」
「うん、名前。ドッペルゲンガーになる前の名前だよ」
そう言えば、もう一人の自分は可笑しそうに笑った。
「誰って……僕は君だよ。君の、代わりだ」
……なんてことないように告げたもう一人の自分……似すぎている顔、声、まるで鏡を見ているようで、自分が自分かと疑ってしまう。
存在しない0と1を証明する根拠が無いように、そして、証明することが不可能であるように、この現象も、目の前の自分も、証明出来ることじゃないんだ……。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
怖いくらい順調に行った代行者計画。たかが一日……されど一日。一日で居場所を乗っ取るのは容易い。それに、土日で家族も騙せる……。
彼が部屋に篭もる間に家族との距離を詰めれば、もう、彼の……君の居場所はない。
ありもしない記憶、知ることの無い言葉……そして、一つ二つと崩れていく辻褄が、きっと、彼を猜疑することだろう……ふふ。
「ねえ、君、誰なの?名前は?」
思考を巡らせていると、ふと、声をかけられた。……何言ってるんだ?
「名前?」
「うん、名前。ドッペルゲンガーになる前の名前だよ」
僕はその言葉が可笑しくて思わず笑う。
「誰って……僕は君だよ。君の、代わりだ」
そう、君の代わり……そして、君に成る者。
これから君は、僕という侵略者に存在を蝕まれることになる。その存在に、世界は絶対に気づかない。それどころか、入れ替わった僕達は、政界として世界に認められる。
……さあ、罪の実行だ。
「じゃあ、僕は代わりに学校に行ってくるね」
「うん、よろしく」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「おはよう」
週明けの学校は、自力で行った。三日来てなかっただけで、なんだか懐かしく思えてくる。……そう言えば、お父さんとお母さんの僕への対応が、いつもと違うかったな……。
「お、来たぜ」
……え?
「なあ、もう一回アレ、見せてくれよ」
「私も見たい!」
「俺も」
……何、何の話?アレ……なんのこと?
「おい、どうしたんだよ」
「体調悪いの?」
「……うん、ごめん、朝から気分優れなくて」
対応の違う両親、知らない言葉、まるで自分だけが取り残されたような感覚に浸る。
自分と、もう一人の自分に差異を感じる……あれ、僕って一体、誰なんだ……?
「ごめん、今日は帰る」
来たとこだけど、そんなのは関係ない。周りの止める声も聞かずに、僕は廊下を走り、家まで走り、お母さんの声も無視して部屋に直行し、窓にもたれ掛かるもう一人の自分の胸ぐらを勢いよく掴む。
何となく足元に目を向ければ、僕の影が薄くなり、もう一人の自分の影が濃く、ハッキリしているのがわかった。
……このままだと、僕が、僕じゃなくなる。
「ねえ、もういいから、僕の存在返してよ」
もう一人の自分は胸ぐらを掴まれているのもお構い無しに、ヘラヘラと笑った。
「まあまあ、そう怒らないでよ」
そう言って、僕の手を離す。
「生憎様だけど、僕は君という存在に成るのが心地良いんだ。君の居場所は、もう此処には無い……わかってるんだろ?」
息が詰まりそうになった。もう一人の自分は三日前と同じような笑みを浮かべ、僕の耳に口元を寄せる。
「ねえ、奪われたんなら奪えばいいじゃん。今度は、君の番だから」
こいつは……救世主じゃない、侵略者だ。そして、ドッペルゲンガーは死の前兆なんじゃなくて、負の連鎖を起こす者なんだ。……その人の存在が別の人に変わるんだから、死の前兆と恐れられるのも無理はない……。
それを理解した時には、もう、自分の存在が無くなっていた……。
命の椅子は一つしか無い。ひとつの存在にふたつの命は入れない……どちらかが出ていかなければならない……僕は、理解するのが遅すぎた。
「僕は君……いや、違うね。君は、誰?」
その言葉に、涙が伝った。死にたくない……なら、奪うしかない。僕という存在が乗っ取られる前に、この涙が乾いて果てるまでに、僕が入る器を……僕が代わるヒトを探さなきゃ。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
世界が僕の存在を受け入れた、僕が彼であることを認めた。
ヒトは祈ることを続けた。苦しい時も、悲しい時も、自分の都合の良い祈りを……。
そして、痛みを周りに委ねて、託して、自分が幸せになることで満たされて往く。
自分が楽になることだけを望んで祈る愚かな人間に成り代わるのが、僕……いや、君たちドッペルゲンガーだ。
「僕の方がちゃんと君を生きてあげるから、君は、愚かで可哀想な人間をちゃんと救ってやってよ。どうするか、何するか……賢い君なら、分かるだろ?」
本来の自分でいることが幸せと感じ、絶望した顔をしている彼。分かる、僕もそうだった。だから、君に代わる。今、君の椅子に座っているのは僕だ。
僕の言葉を聞いてハッとする彼。そう、そうだよ。君ができるのは、ドッペルゲンガーという現象を断つか、繋げて往くかだけ。
死にたくないなら……繋げ、その存在を。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
自分でいることの幸せを自覚した時には遅かった。死にたくない……僕がやるべき事は、代わりの器を探すこと。僕は、もう、元の僕に戻れない。
「──────────私の代わりが現れればいいのに」
……見つけた、僕の……私の……器。
「上手くやれよ」
どこか遠くで聞こえてくる彼の声。その言葉に頷くことはせず、私は一歩踏み出した。
「どうもこんにちは、私は、あなたの分身です」
「……え?」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
衝動で書いたのはいいものの
何を書いているのかよく分かりません()
おいおい訂正していくかもしれませんし
消すかもしれませんし
放置するかも知れません
では、今日はここら辺で
http://www.nicovideo.jp/watch/sm31314079
本家様の動画です
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
たとえ君がボクを忘れてしまっても
たとえ君が亡くなってしまう運命でも
ボクはずっと
君に見惚れたい
─────さよなら 季節の折々にて─────
え、好き。文才と語彙力を山菜に分けて,,,,,,(
sra900149
2022/08/11 22:35:59 違反報告 リンク
桜花ちゃん→えへへ、ありがとう……!そう言って貰えて嬉しいです……
utayomidori
2022/08/12 0:33:05 違反報告 リンク
フォロー失礼致します
みむふろ
2022/08/12 4:31:59 違反報告 リンク
ふみふろ様→フォローありがとうございます。フォロバ失礼します
utayomidori
2022/08/12 6:27:00 違反報告 リンク
初リプ失礼致します。
私も同じ小説書きなのですが、歌詠鳥様の小説、とても上手くかけてるなと思いリプライさせていただきました。
もし宜しければ繋がりませんか?
シャボン玉
2022/08/14 10:57:23 違反報告 リンク
シャボン玉様→コメントありがとうございます。小説を褒めて下さり、ありがとうございます。シャボン玉様の投稿も拝見させてもらいました……とてもお上手ですね!
ぜひ、繋がりましょう!フォロー失礼します
utayomidori
2022/08/14 19:57:29 違反報告 リンク
ありがとうございます!
フォロバ失礼します!
呼びタメって良いでしょうか?
私は呼びタメ大歓迎です!
シャボン玉
2022/08/14 20:45:54 違反報告 リンク
呼びタメ大歓迎です。私は基本敬語というキャラでやらせてもらいますね!シャボンちゃんって呼んでも大丈夫ですか?
utayomidori
2022/08/14 20:49:05 違反報告 リンク
分かりました!では、お言葉に甘えてタメでいかせていただきますね!
シャボンちゃん呼びOK!
私は、「歌詠鳥ちゃん」って呼んでも良いかな?
シャボン玉
2022/08/14 20:51:03 違反報告 リンク
全然OKです。よろしくお願いします!
utayomidori
2022/08/14 22:27:38 違反報告 リンク
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君へ(短編小説)︎┊︎
2022/08/12 19:43:50 utayomidori 4
─────夢と歌詠鳥を乗せて───── 前回の投稿に続き、曲パロを書いていきま...
︎初投稿┊︎
2022/08/11 10:41:57 utayomidori 3 3
─────夢と歌詠鳥を乗せて───── 初めまして……歌詠鳥と申します 歌詠鳥...
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