laut evento 1【オリジナル小説】

テンバカ組 小説
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最高ランク : 206 , 更新: 2015/08/03 21:02:54

「はーるた!!」

青年は現在行動を共にしている旅人─いや、ハルタの名を大声で叫んだ

「あ?……なんだセインか」

「そ、そんな睨まないでよ……それに!なんだってなんだよ!!俺じゃ不満だったか!?」

「うるさい」

ハルタはその言葉を口にした瞬間的に青年─セインの額にデコピンをお見舞いした

─いってぇ…

呻くセインを横目にハルタは思いきりため息を吐いた

*

セインと出会ったのも誰の人生にでも1つはある“ただの偶然”だ
ある場所を目指す為に通りすがった本当に小さな村─そこにセインが居たのだ

その小さな村は酷く荒廃していて、所々焼けた後が見える
その風貌が気になり聞いてみると
【魔物が出た】
村人たちが口裏を合わせてるかのように同じ言葉を口にしたのだった

「──またか」

「また?」

ハルタの言葉に反応した声の主はハルタより明らかに背の低い青年がハルタの目をじっと見ていた

「新鮮味がないんだよ……それより、魔物はどこに」

「向こうの森だけど……まさか、行く気か?」

「ああ」

「なら、俺も行く」

「は?」

“何で”と聞く前にセインはにかっと笑い、

「だって、独りよりも2人の方が楽しいだろ?」

と、自慢気と言うのだろうかまた、どや顔というものでハルタを見たのだ

*

「あー今思えばあん時で縁切っときゃ良かったわ…」

ハルタが嫌味かのように目を細目ながらセインを見る

「ひでぇ!!ふざっけんな!!」

「冗談だ……騒ぐな馬鹿」

「マジでふざけんな!!」

「髪引っ張んな。逝かすぞ?」

殺意の籠った顔と声でセインを見る

「ごめん…」

そのままテンションが下がったのか黙々と目的地へと続く道を歩き始めた

「たっく、めんどくせぇ奴だな…。おい!セイン!!」

「何」

声から解るようにセインは不貞腐れている

「こっち来い」

手招きをしながら言う。そして近づいてきたセインをハルタは面倒臭そうにぎゅっと抱き締める

「ばっおまっな、なにしてんだよ!!」

セインがそう叫ぶとハルタはセインの体から手を離した

「お前んとこの村のお婆さんがお前は昔から不貞腐れたり、拗ねたりしたときは抱き締めると不貞腐れたりすんのを止めるっつってたからよ」

「それ、一番お前に知られたくなかったんだけど!!」

顔を真っ赤にしながらハルタに向かって叫ぶセイン

「早く行くぞ。日も暮れてきたしな」

「ハルタ……野宿出来ない系男子?」

先程の顔はどこに言ったのか憐れみの目でハルタを見る

「出来るわ!!!!ただ、寝不足になるだけだ!!!!」

「そうか……なら、森の入り口に宿屋があるはずだ。そこで一晩過ごそう」

ハルタは“あれ、こいつ村の外に出たことがないって言ってなかったか?”そう思ったが口には出さなかった

「はるたー?行かないのか?」

「待て。行くに決まっているだろ」

ハルタはセインの後ろを歩き出した

*

「初回限定で無料で泊めてくれるって優しい店主だったな!」

セインたちは森の入り口にある宿屋に日が完全に落ちる前には着き、宿屋の店主が初回の客には無料で泊めると言っていたため現在の所持金は村を出発してから1ヤンたりとも減ってはいない

「そうだな。それに、この東洋の島国には不思議な文字がいっぱいだな」

「そうか?」

「ああ。なにか記号がいっぱいあって何て書いてあるのか解らん」

ハルタが真剣な顔でそう呟くとセインは豪快に笑った

その後ハルタに大声で怒られ、その声を聞き付けた店主にも怒られるという始末にまで辿り着いた

色見草 (暴走注意報)


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