#3 待てないの?
創作 小説 #3今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:267 hit
更新:
#八乙女光
#薮宏太
#Hey!Say!JUMP
君はいつも待てないみたいだね。
少し待ってみるのはどうかな?
家事のできない君のために、一人暮らしの君の部屋の家事をする。外では何でもできる、万能そうな顔してホントは何もできない不器用で愛おしい恋人。
かちゃかちゃと皿を洗う。これまであんまり自炊をしてこなかった君は、散々俺が言ったからか最近自炊をし始めたらしい。まだまだ下手くそで、すぐに焦がしたりして上手にはできていないけれど、根気よく続けている君がいじらしい。
その辛抱強さを、俺にも活かせないものかい。
君が洗わず放置していた皿を洗う俺の腰を、後ろからぎゅっと抱きしめる君。
「薮、離してよ」
細いくせに重たい君に抱きしめられると、身動きが取れなくなる。
「嫌だ、離したくない」
外では甘えてこないくせに、家ではべたべた甘えてくるからずるい。ギャップの差が激しくて困る。
いくら言っても君は離れてくれそうにないから、しぶしぶ洗剤のついた
手を洗い流して振り返る。大好きな君の笑顔を見ると幸せにとろけてしまいそうだ。
「薮」
「何、光」
「後で構ってあげるから大人しく待っててよ」
少しだけ背伸びをして、君の額にキスを落とす。いつもやり慣れない仕草に顔が火照る。
一瞬、俺の腰辺りを抱きしめていた腕の力が強まった。
「後じゃ嫌だ、今構ってよ」
俺の首筋に顔をうずめた君が、曇った声で呟く。
いつも俺が甘えても冷たく接するくせに、自分が甘えるときは構ってくれるまで離さないなんて、とんだ御都合主義な恋人だ。だけどそんな君が、ずるくて、あざとい君がどうしようもなく好きなんだから仕方ない。
「仕方ないなあ」
呟いたとき、抱きしめられていた腕が離れて冷たいキッチンに押し倒され、二人は床に雪崩こんだ。
――――
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@Dear_1124
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