天使が堕ちるまで 【番外編】

小説 天使が堕ちるまで
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今日もまた、望まない朝が来た。



あのときから俺は、無気力に、意味もなく、この世界で生きている。ずっと、ずっと、死を望んでいる。

後悔と絶望にまみれ、生きている。

俺は独り。

堕天使の俺には、もう何もない。死も生き甲斐も、姉さんも。何もかもない、何もかも無くした。


全部俺が悪いんだ。


何もできなかった、でき損ないの天使である俺が。もしくは独り惨めに堕ちていった、馬鹿な俺が。それか、禁忌を犯したアホな俺、姉さんを堕とした屑な俺。

俺が居なければ、姉さんは今日も生きていた。罵詈雑言を浴びることもなく、弟のために苦しむこともなく、幸せに生きていた。

綺麗な翼を広げて、神秘的な天使の輪を頭に浮かせて。その美貌で誰かを惚れさせてた。愛らしい仕草で、沢山の愛を貰っていた。


──はずなのに。


その美しくなるはずの人生を、俺が全て汚したんだ。台無しにしたんだ。

俺のせいで、姉さんは俺を生かすために死んだ。俺の代わりに罵詈雑言を浴びて、俺のせいで苦しんで、死んだ。

綺麗な翼はズタボロになり、天使の輪はひび割れた。その美貌は、火傷痕で見るのも痛々しくなった。何をしても、誰も見てくれなくなった。

俺のせいで。


何十年も泣いた。途中から、涙も声も枯れて、ただ後悔と絶望に耐えられずにうずくまっていた。



ごめんない、救えなくてごめんなさい。救い用のない弟でごめんなさい。何もできなくてごめんなさい。


今日も俺は姉さんに向けて、懺悔の言葉を並べる。自分でも耳を塞ぎたくなるほどに、醜い綺麗事を。

どうしようもないのに過去を恨むことしかできない。



ああ、やっぱり僕はでき損ないだ。

くろねこらいふ


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