01：REVIVE-第１話

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最高ランク : 1 , 更新： 2023/10/04 18:59:45

蒸し暑い残暑の中、二学期が始まった。

もう9月だというのに、未だに真夏のような暑さが続いている。

俺は窓際の１番後ろの席で、照りつける日光を浴びながら前を眺めていた。

今日は転校生が来たらしい。

興味なんて微塵もないが、なんとなく顔をあげる。

転校生というのは、そこそこ顔立ちの整った女子だった。

俺以外の男子のテンションが爆上がりだ。

――アホかよ。

友達とか彼女とか、そんなに欲しいものなのか？

俺は、そんなのいらない。

どうせ、そんなのは邪魔なだけだ。

「花賀みのりです。よろしくお願いします」

はきはきしていて透き通った声。

学級委員長とかに立候補しそうなタイプだ。

「それじゃあ、花賀さんはあそこの席に座って」

「はい」

彼女は空いている席へ歩いていく。

ピンと伸びた背筋。

凛とした表情。

はきはきとした喋り方。

俺は密かに胸騒ぎを感じていた。

無論恋などではない。

なんとなく、よくない予感がしたのだ。

転校生の姿がかつての俺に重なって見えて、得体のしれない恐怖に駆られた。

そんな胸騒ぎに襲われているうちにホームルームは終わり、クラス中の人が転校生の席に集まっていた。

俺はなんとなくクラスメートの群衆を見つめる。

おめでたい連中だな、と思った。

きっと俺はもう、あの輪の中に入っていくことは二度とない。

これからもずっと、騒がしい声を遠巻きに聞いているだけ。

そう。

それでいい。

――もう、あんな思いはしたくない。