青空の妄想 2018.07.09.
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早口熱血漢×武闘派少女ってアリ?【早川充洋】~小話~
『身体測定の噺』
私達が進級して1週間くらいたった日。
それは毎年のごとくやってきた。
「えーっと、んー…浦城さんはぁ~」
私よりずっと小柄な養護教諭の先生が一生懸命メモリを読み上げた。
「17…3cm」
ん!?!?
浦城「先生…あの、見間違えじゃぁ…」
先生「えー…でも173㎝のようなー…あー!!でも待って!違うかも!」
やっぱり?そ~だよね~。173なわけないって~。
あ~良かった。
「174㎝でした!」
余計なこと言わなきゃ良かった。
浦城泉。高校3年生。身長がまたしても伸びました。
***
今日は身体測定の日。皆体操着に着替えて順番に測っていた。
浦城「174…どうしてー…牛乳最近(1か月ほど)控えたのにー…」
思わずため息をつくのは、身長の数字。
去年でさえ172㎝のデカ女だったのに、さらに2㎝も伸びてしまったのだ。
ふと周囲を見渡すと私と同じような反応を示す女子たち。
その中に見慣れた2人がいたのだった。
浦城「桜~輝~!!ちょっと聞いてよぉ!身長がまた伸びて」
今年クラスの別れた大親友に話を聞いてもらおうと声を掛けると2人は暗い顔して振り返られた。
えぇぇ…なんでこの世の終わりみたいな顔してるのよ2人とも…;;
輝「身長が何よ泉!!こっちの方が重大よ!!!」
桜「そうだよ!!こんな身体じゃコウくんに会えないよー!!」
なぜかいきなり私の悩みは全否定されてしまった。
ひどい。でも2人の剣幕に私はたじろぐことしかできなかった。
浦城「ど、どうしたの?」
桜「……増えたの。」
輝「……減ったの。」
浦城「何が?」
桜「体重が!!!」
輝「バストが!!!」
同時に叫んだ二人は、抱き合って慰め合っていた。
彼氏に見せられないからだって何?6㎏ぐらい太ったり痩せたの?
そう言われても、2人の身体はたいして変わってないような気もするけれど…
桜と輝は去年どころか出会った一昨年からそんな変化が見られない。
ずっと一緒にいるから気づかないのかな?
でも2人とも標準だと思うけど…
浦城「そんな気にしなくていいんじゃない?2人ともそんな変わってないと思うけど?今のままがかわい…」
「「そんなことない!!!」」
桜「だって昨日より0.45㎏太ったんだもん!!」
輝「アタシだって昨日より0.7㎜減ってたんだから!!」
浦城「2人とも数の単位おかしくない!?!?」
それ太ったり痩せたりに入る???
私なんて3㎏ぐらい誤差の範囲だわぁとか思ってたのに!
輝「泉はどうせ身長のびただけでしょ?5㎝くらい。」
浦城「やめてよ!!5㎝なんて勘弁して!!2㎝だけでも嫌なのに~」
輝「別に身長くらいいいじゃん。アタシも伸びたよ。1cmだけど。」
桜「私減っちゃった。151㎝になっちゃった。」
浦城「いいなぁー。私も減りたい。桜と輝に私の身長あげたい~。
今年は減ってるかも!って期待してた分辛いよ…」
桜「え?どうして??」
浦城「笠松先輩がさ、冬にね?
『浦城…お前身長縮んだ?』って言ってくれたから。」
去年のWCの少し前の練習中、じーっと珍しく私のことを見てた笠松先輩が何気なく言ったあの言葉。
浦城「あれ本当にうれしくて今年は160台だと思ってたのにぃ~!!!」
輝「(それって…)」
桜「(ポニーテールだった分なんじゃ…)」
心優しき親友は、その言葉を胸にしまったのだった。
輝「別に泉が5cm伸びたってそんなに変化ないって。相変わらずの乳牛だし((ギリィ」
桜「そうだよー…そのばっちりなくびれとかいいなぁー((じとー」
浦城「こわいこわいこわい!!」
***
着替えて教室に戻ると早川に声かけられた。
早川「なぁ泉!測定どうだった⁉⁉」
その言葉に私は疲労感を感じた。
コイツなんでそんな嬉しそうなんだよ。む~か~つ~く~!!!
浦城「あー…別に身長2cm伸びたくらい。」
早川「そっか!!」
早川って185㎝だっけ。
じゃあ私との差は11cm差か~
あーでも早川と同じ目線はちょっと悪くないかな?
そう思い始めた私。
早川「聞いてくれ泉!!お(れ)な!お(れ)な!」
「4cm伸びた!!!」
ん?4cm??
4cmって私の倍?てことはさらに身長差が空いたってこと?え?あ?ふーん、そぉっかぁ~
早川はとても嬉しそうに私に報告してきた。
早川「そんでお(れ)189㎝になった!もうちょっとで190いくん」
そんな彼の足を
浦城「フン!!!」
早川「いたいいたいいたいいたい泉ぃいいい!!!」
私は思いっきり踏んでやりました。
早川「なんでぇ~泉!!イタタタタおおお折れぅううう!」
浦城「いや、なんでだろう。でもなんか、ムカついたから。」
早川「(り)ふじん!!!!!」
3年生なっても早浦は、今日もいつも通りです。
終
***
おまけ1
浦城「中村は?身体測定どうだった?」
中村「あぁ、俺も伸びたよ。」
浦城「そっかぁ~、3cmくらい?」
中村「あぁ、まぁそんなとこ。」
早川「なかむ(ら)、0.5㎝じゃ――」
中村「早川くんちょっと黙ろうか!!!!!!」
浦城ちゃん+2cm=174㎝
早川くん+4cm=189㎝
中村くん+0.5㎝=181.5㎝
中村(マジか。浦城まだ伸びてるんだ。てことは7.5㎝差……)
中村「媛路、牛乳1L買ってきてくれ。大至急」
媛路「俺もう別のクラスなんだけど…;;」でも買ってくる。
***
おまけ2
黄瀬「せんぱーい!聞いてくださいっス!俺190㎝になったっす!!」
媛路「え?うん、おめでとう?」
黄瀬「これで媛路センパイにたどり着いたっスね!」
媛路「え?あー…そうだなー…」
媛路(俺、195㎝なったんだけど……)
たぶん一番伸びるのは媛路くん。
***
ってことでどうでしたか!
青空です。
ちょっと前から彼女らの身体測定話描きたかったんです。
上手く伝わるといいんですけど。
では小話ってわりには文字数えげつなく多くてすいません。
また面白い話、面白くない話思いついたら描きますのでまたふらっと読んでくだされば嬉しいです
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